五百旗頭 真 (2016/03/06)
  私は憲法改正のできない日本の実情を危惧します
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  中曽根康弘元総理がかつて、「大正デモクラシーの時代に明治憲法を改正できていたら、
  日本は滅びずに済んだ」と話していたことを思い出します
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  日々改良するからこそ、伝統的な良さも残せるのだ
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  日本は日米同盟に多くを委ね、独力で自国を防衛する軍事力を持とうとしません。
  そうである以上、この同盟を失えば、民主党政権末期のように、ロシアや韓国や中国が係争領土に対して一方的な行動を取るでしょう。
  中国とも普通の関係を維持することが重要です
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  日本人は、「我々は特殊。外国人にはわからない」ユニークな存在と思っています。
  イスラエル人も、「我々はユダヤ教の神ヤハウェから選ばれた唯一の民族。特別な使命がある」と思っています。
  アメリカ人もまた、「我々は例外的な国」と思っています。
  これを「エクセプショナリズム(例外主義)」と言います。
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  アメリカは外交も戦争も、「国益のため」だけではなく、
  「アメリカの奉ずる民主主義という普遍的価値のため」に行うようになり、
  国民もそれを熱く支持するようになりました。
  これはアメリカの強さであると同時に、危うさです。
  「絶対」「普遍」などは神の領域に属する価値であり、
  人が扱うと必ず間違いますし、
  その間違いを自ら改めることはできないので、
  悲惨が増幅しかねないからです
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  中国史を振り返って気づくのは、
  中国の諸王朝は全盛期になると必ずベトナムを侵略していることです。
  自立心が強いベトナムは、
  時に中国に支配されながらも激しく抵抗し、
  最後は中国軍を叩き出してきました。
  多くの場合、
  「中国軍が何十万もの大軍でベトナム北部に侵攻する
   →ベトナム軍は食糧を隠して逃げる
   →中国軍は暑さと食糧不足に苦しむ
   →国境付近へ引き返した中国軍を、待ち受けていたベトナム軍が叩く」
  という経過が繰り返されました
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  鳩山由紀夫元首相は、現実的な代案を全く持たないまま、
  ただ漠然と対米対等化と東アジア共同体を夢に描き、徒に沖縄基地問題を混乱させました
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  中国が軍事能力の面で最終的に恐れているのは、アメリカです。
  日本単独であれば、五十年百年のうちに愚かな首相もまた出現するでしょうし、
  中国に付け込む隙を与えます。
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  ドイツはかつてヨーロッパの後進国で、
  "オリジナルがない模倣の国"と馬鹿にされた。
  アメリカにもそういう時代があった。
  日本も"安かろう、悪かろう"と馬鹿にされた。
  しかし、これらの国々はいずれもその後先端技術の国として世界を牽引している。
  中国もそうなるだろう